豊かな風土と文化・歴史に育まれた
阿以波(アイバ)があるのは、京うちわの製造産地、京都市中京区。
伝統に囲まれた中京区は、近くに鴨川があり、少し歩けばざわつく祭りの香りも感じます。
多くのうちわ屋から扇子屋が並ぶ工芸の産地です。
創業300年、「京うちわ」の伝統を今に伝える
「阿以波」の歴史は1689年、初代長兵衛が近江の国”饗庭(あいば)”より、都に出て店を開いたことに始まります。
京うちわは「都うちわ」とも呼ばれ宮廷に用いられ、極めて優美な絵画が描かれてきました。
その後間もなく庶民の使用するうちわとして広まり、今日の「京うちわ」として確立されたのです。
阿以波は、七代目からうちわの専門店となり、御所うちわの伝統を伝える「京うちわ」を作りつづけてきました。現当主は、その十代目。阿以波のみとなった京うちわの制作技術を今に伝えるとともに、新たなうちわ文化を創造し続けています。
日本三大うちわのひとつ、「京うちわ」
京うちわは、団扇面と柄を別に作り、後から差し込む“挿し柄”の構造に。
阿以波では、うちわの骨となる竹の加工から紙の貼り合わせ、仕上げまで、すべて手作業で行います。
竹は丹波を、紙は越前・八尾の手漉きこうぞ紙などを使い、それぞれ京都の職人達の手によって作られたものを、阿以波の職人の力で1つのうちわにしているのです。