昭和14年創業 新潟県燕市 柄沢ヤスリ
新潟県燕市にある柄沢ヤスリは昭和14年に創業しました。創業以来、組ヤスリを中心とする工業用のヤスリの製造を続けてきました。現在は、その他に時代のニーズに合わせて「柄厚ウス平ヤスリ」「極細ヤスリ」「プラスチックヤスリ」「爪ヤスリ」「踵ヤスリ」等自社のオリジナリティを生かしたヤスリを製造し、各方面から好評を博しています。
もともと越後燕は、江戸時代から「槌起銅器」と「キセル」と「ヤスリ」の町として栄えていました。そして戦後、洋食器の町へと変貌を遂げ、軒を連ねていた伝統的なヤスリ製造工場も今や2社だけとなりました。
職人も老齢化し、弊社の最高齢職人は92歳になります。この仕事について60年を越える大ベテランです。目立て機械につかまりながら1本1本ヤスリの目を立てる地道な作業を、そのベテランを中心とした職人達がいまだに続けています。そんな伝統と技術を守り続けている柄沢ヤスリです。
伝統の技法でつくられるヤスリへの想い
「ヤスリは基礎工具であるため、ほとんど表舞台に立つことはありません。しかし、NASAでも最後の最後にヤスリを用いて人の手がロケットを仕上げていると聞くように、工業や製造の分野ではなくてはならない工具です。これからいかに工業技術が進歩しようともそれは変わることがないと思います。」と代表の柄沢氏は言います。
独自の特殊技術を用いた爪ヤスリと完成まで2年の年月を要した踵ヤスリ
ヤスリの目を生かしたまま付けたカーブは、世界でも弊社にしか出来ない特殊技術です。ヤスリの繊細なカーブが爪や踵の曲線にピタリと沿い、今までにない使いやすさを追求しました。
また爪ヤスリにはすでに60年以上の歴史がありましたが、踵ヤスリはかねてよりお客様からの熱い要望があり、ゼロから開発をスタートさせました。デザイナーとの連携のもと、機能性はもとより重量感やフィット感、誰からも目を留めてもらえるデザイン性etc・・・を追求して試行錯誤を重ね、 完成まで2年の年月を要しました。
こうして完成した踵ヤスリは一方向に削り取る目立てヤスリの特徴から、角質がパウダー状に取れすべすべな踵を取り戻せま す。また爪ヤスリは92歳のベテランの切った細かい目が、爪を滑らかに優しく仕上げることができます。