昔ながらの掃除道具である棕櫚箒(しゅろほうき)の良さが見直されているいま、棕櫚箒の購入を検討中の方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、棕櫚箒が人気の理由とメーカーごとの選び方をご紹介します。
棕櫚箒が人気の5つの理由
棕櫚箒の穂先は、棕櫚の幹の皮の繊維を束ねて作られます。掃除しやすいのはもちろん、手に馴染むため使い心地が良く、長く使えば使うほど愛着が湧く箒です。そのほか、どんな人気の理由があるのでしょうか?
省エネ・省スペース
便利に思える掃除機ですが、電気代やゴミパック代が掛かったり、保管にスペースが必要だったりするもの。その点、棕櫚箒なら電気代が掛からないほか、壁に吊るして保管することも可能なため省エネ・省スペースの掃除道具です。
小さなホコリも逃さず掃除ができる
ホコリは繊維のクズ、ダニやカビ、細菌や皮膚のかけらなどからできており、アレルギーや皮膚疾患といった健康被害をもたらすことがあります。ホコリが舞い散らないように取り除くには、ゆっくり静かに掃除するのがポイントです。棕櫚箒は、ゆっくり静かに掃除するのに適しています。また、棕櫚皮をほぐした棕櫚箒の穂先はコシがあるのに柔らかく、小さなホコリを絡めとって逃しません。
静かなので時間帯を問わず掃除が可能
掃除機やロボット掃除機を使用するときには、どうしても駆動音が出てしまうものです。騒音はご近所トラブルの最たるもの。しかし、棕櫚箒なら床を撫でるように掃くため音も出ず、夜遅くや朝早くなど時間帯を気にせず、いつでも掃除できるメリットがあります。
畳やフローリングをさらに美しく
ホコリを溜めないようにするには、毎日のこまめな掃除が欠かせません。ところが、掃除機などで毎日掃除をすると、知らず知らずのうちに床材に傷がついてしまう場合も。穂先がしなやかで柔らかい棕櫚箒なら、床材を傷つける心配はありません。さらに、棕櫚箒は畳やフローリングを長持ちさせるだけでなく、穂先の繊維に含まれている油分で艶を出して美しく保ちます。
丈夫で末永く使用できる優れもの
種類にもよりますが、修理可能な棕櫚箒は一度購入すれば15~20年以上は使用できるといわれています。もし摩耗して室内用には使えなくなったとしても、今度は屋外用の箒として使用できるでしょう。
棕櫚箒のメーカー別の選び方は?
棕櫚箒を製作しているメーカーは、それぞれこだわりを持って箒を作っています。ここでは、メーカーごとの棕櫚箒の選び方についてご紹介します。
山本勝之助商店 (かねいち)
明治13年創業の山本勝之助商店の棕櫚箒には、長柄箒、手箒、荒神箒(小箒)の3種類があります。広い範囲や長時間の掃除には長柄箒、物が多い場所や短時間の掃除には手箒、テーブル・デスク周りの掃除には荒神箒がおすすめです。
棕櫚箒製作舎(シュロホウキセイサクシャ)
受注製作・予約制の棕櫚箒製作舎の棕櫚箒は、1本ずつ選別した棕櫚繊維からできた本鬼毛箒、未選別の棕櫚繊維からできた鬼毛箒(タイシ箒)、穂先に当たる部分の棕櫚皮をほぐして作られる皮箒の3種類があります。耐久性重視なら、修理しながら使用できる本鬼毛箒か鬼毛箒(タイシ箒)を選ぶと良いかもしれません。
竹虎(株)山岸竹材店
明治27年創業の竹虎(株)山岸竹材店の棕櫚箒は、鬼毛箒長柄9玉、長柄7玉、手箒5玉、手箒4玉、はたき、ミニの6種類があります。掃除場所や用途によって選べますが、使いやすさで選ぶなら長柄7玉が人気です。