大事に育てた鉄器は、一生ものの台所道具です。
扱いが難しいというイメージが強い鉄器。
重さもさることながら、錆付きの心配やお手入れ方法など、時間と手間がかかるように思われていますが、きちんと使用方法を守れば、難しいことはありません。
不足しがちな鉄分が補給できるという魅力もあります。
使い込むほどに使いやすくなる、台所の力強い味方。
それが南部鉄器です。
鉄器には育てる喜びがあります。
使い込んで油なじみがよくなった鉄器は、黒くつやが出てきて、鉄器のもつ素朴で力強い魅力もどんどん増していきます。
大事に育てた鉄器は、一生ものの台所道具です。
それでは、鉄器を育てる第一歩。
ミニパンを使い始める前の準備をしていきしょう!
1:油ならし
油ならしとは、油を使って鉄の表面に薄い油膜をつくり、使用中の錆や焦げ付きを防ぐ下準備のことです。
まずは軽く洗剤で洗って水気をきちんと拭き取ります。次に、一度火にかけ、薄煙りが見えたらお玉1杯の油を入れて馴染ませ、油を取り出して野菜くずを炒めましょう。
一緒に炒める野菜くずは、油膜の形成を早めるだけでなく、鉄独特の匂いを緩和させてくれます。香りのあるお野菜を少し焦げるまで炒めましょう。
(※使用する油の種類に指定はありませんが、長持ちする皮膜をつくるのに適しているのは、ベニバナ油などの不飽和脂肪酸の含有量が高い油と言われています。)
しっかりと油ならしを施したら、もう準備完了です。
ミニパンは、ガスやIHはもちろん、持ち手も鉄器で作られているのでオーブンやグリルでも使用できます。そして同じ南部鉄器の蓋もついているので「煮る、焼く、蒸す」と使い方のバリエーションも豊富です。一度溜め込んだ熱を逃がしにくい性質をもつ南部鉄器。お料理を熱々のまま提供することができるのも嬉しいポイント。
黒い器は、食材を美しくみせてくれます。シンプルでモダンなデザインのこのミニパンは、そのまま食卓に出せるおしゃれな鉄器なので、テーブルウェアとしても大活躍してくれます。
2:ミニパンの洗いかた
使い終わったミニパンの汚れは、ミニパンが温かいうちに熱めのお湯で流します。
洗剤は使いません。洗剤で油を分解させるのではなく、お湯で油を溶かして流し、汚れを落としていきます。
鉄器の洗いに便利なのが束子や棕櫚です。表面の小さな穴に入った汚れを掻き出してくれます。表面が傷つくことは無いので、ガシガシと力強く洗ってしまいましょう。
調理後に多くの油が残ってしまった場合には、あらかじめ拭き取っておくと容易にすみます。
洗剤を使ってしまうとこれまでなじませた表面の油膜も一緒に洗い流してしまいます。
「せっかく育てた油膜を洗剤で落としてしまってはもったいない。」という訳です。
普段の食器洗いから考えると、きちんと汚れが取れていないような不安な気持ちになってしまうかと思いますが、ミニパンが冷め切る前にお湯を使って洗うことで、汚れは十分落とすことが出来ます。ご安心を。
3:ミニパンのお片付け
しっかりお湯で洗ったら、しっかり水気を拭き取って、軽く火にかけてしっかり乾燥させます。
水気が少しでも残っているとサビの原因になりますので、しっかり乾燥させましょう。
使い始めのうちは油膜も育っていないので、使い終わりに薄く油を塗っておくのもオススメです。裏面や蓋も忘れずに。
水分が残らないようにすることがポイントですが、持ち手の小さな蓋を火にかけるのは至難の業。鉄器はもらい錆をすることも多いので、片付ける際には、蓋とミニパンの間に布巾やキッチンペーパーを挟んでおくと良いと思います。
大事に扱えば半永久的に使うことができる鉄器の道具たち。
大きな鉄鍋はハードルが高いかもしれませんが、片手で扱えるミニパンはお手入れの負担も少なく、日常使いができる鉄器です。鉄がもつ温かみに触れて、南部鉄器を身近なものにしてみてはいかがでしょうか。
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