そうた窯について
佐賀県有田町の隣に位置する山内町で、1997年に諸隈直哉氏によって創業されたそうた窯。そうた窯の名前は、曽祖父の山口惣太左衛門氏から付けられました。伝統工芸士のもとでの修行を経て独立した諸隈氏は、旅館や料亭で使う割烹食器が主流であった有田焼業界の中で、毎日使っても飽きがこない家庭用食器を制作する窯としてそうた窯を創業。有田焼の伝統技法を用いながら、現代の生活に合った食器作りを行っています。手になじむ温かみのあるフォルムに、古典柄を親しみやすくアレンジした文様を入れたうつわは、性別や年齢を問わず幅広い人々に愛されています。
有田焼とは
佐賀県有田町とその周辺地域で製造される磁器を、有田焼といいます。磁器とは、陶器よりもさらに硬質な焼き物です。備前焼、信楽焼などさまざまな優れた陶磁器がある中で、有田焼の大きな魅力は透き通るような白磁の美しさ。透明感のある白さは、欧州の貴族より「白い金」と称賛を浴びたこともあるほどです。また、白く硬い陶石を原料として1300度以上の高温で17時間以上かけて焼成することで、滑らかな質感と丈夫な硬さを併せ持つことも特徴のひとつ。軽く扱いやすいうえに耐久性が高い有田焼は、古くから地位の高い人々に認められ、現在は日常的に使いやすい食器として重宝されています。
有田の伝統紋様をより現代的に親しみやすく
そうた窯の食器のコンセプトは、染付を中心とし、有田焼の古典柄を親しみやすくアレンジした独創的な文様。染付に使う色の原料である「呉須(ごす)」をブレンドして独自の色味を作っており、深みのある藍色が美しくうつわの表面を彩ります。古典の文様をベースにしながら、現代の生活に合うようにさまざまなアレンジをプラス。古典的な柄なのに生活に取り入れやすい、懐かしさと新しさを併せ持つデザインを描いています。伝統技術に現代的な要素を加えた他にはない有田焼は、日々の生活に新たな感覚をもたらしてくれるでしょう。