白木屋傳兵衛について
白木屋傳兵衛商店は今から200年近くさかのぼった、江戸時代の天保元(1830)年に創業して以来ずっと、箒(ほうき)を作り続けているほうき専門店です。
江戸時代も中期以降になると、畳が庶民の住まいの長屋にも普及していきました。
そんな時代のニーズを受けて、最初は現在の銀座に畳表のお店として創業したのです。
ほどなく長屋の畳掃除に適した箒(ほうき)が必要とされるようになると、白木屋傳兵衛商店は当時商人の町だった京橋に移ります。
そして今日までずっとその場所で箒(ほうき)の専門店として発展してきました。
今でも東京・京橋のお店では職人たちが、当時とまったく変わらない製法で、一つ一つ箒を手作りしています。
江戸箒(ほうき)の歴史
江戸時代の初めごろには、主に棕櫚(しゅろ)箒と竹箒が使われていたのですが、座敷箒(ほうき)といえば、棕櫚(しゅろ)を原料にして関西で作られるものが一般的でした。
江戸時代まで棕櫚箒(しゅろほうき)が普及していたのは、そもそも日本の家屋は江戸時代まで板の間がほとんどだったからです。
毛先が柔らかく、しなやかな棕櫚は板の間の掃除に適していました。
このように江戸時代には座敷箒を作る店は、白木屋傳兵衛商店のほかにもあったのですが、「江戸箒(ほうき)」の生みの親といえるのは、じつは白木屋傳兵衛商店なのです。
江戸時代もさらに時代が下ると、江戸庶民が暮らす長屋に畳が急に普及していくようになって、その畳の掃除にぴったりの箒が白木屋傳兵衛商店によって作られるようになりました。
その箒はまさに、関西の棕櫚箒に対して、江戸前の箒といえるもの。
これが「江戸箒(ほうき)」と呼ばれるようなり、現在に至るまで代々の職人によってその製法が受け継がれてきました。
白木屋傳兵衛商店で作られる箒は、ホウキモロコシを原料に使っていて、柔らかいのにコシがあり、畳の網目の埃を力をかけなくても掃きだしやすいというのが特徴です。
江戸箒(ほうき)の特徴
江戸箒はホウキモロコシという草が持っている、柔らかさと弾力を活かした穂先が特徴なので、ササッと掃きだす使用感が味わえます。
これは白木屋傳兵衛商店の江戸箒が「草選り」という作業を経ているからこその使用感です。
材料のホウキモロコシの中から良質のものを選別しているため、柔らかさと弾力がありながら「軽さ」もあるという、江戸箒の最大の特徴を生みました。
これが「掃きだし」やすく、「掃きグセ」が起きにくく、
さらに穂先の良好な状態を長く保つことができる白木屋傳兵衛商店の江戸箒なのです。
また、江戸箒は植物性繊維であるホウキモロコシで作られています。
掃除しても畳や床、カーペットとの摩擦による静電気が生じませんから、埃やゴミが穂先につく煩わしさがありません。
ペットを飼っている場合の室内の掃除でもペットの毛が絡まることもありません。