土鍋の使い方 ~お手入れ・使用方法~
土鍋とは?
土鍋の歴史は縄文時代に「縄文土器」から始まり、古くから煮炊きなどの器として使用されてきました。今でも家族で鍋を囲む際には欠かせない土鍋は、粘土を成型して釉薬を塗り、様々なデザインが作られています。
土鍋の特徴といえば、火に強くて保温性の高いことや、赤外線効果によって食材の深部まで温めることができることでしょう。煮込み料理や鍋料理を作って家族で囲んだ経験がある人も多いと思います。そんな土鍋ですが、使い初めに注意すべきことやお手入れについても紹介していきましょう。
土鍋の使い方とお手入れについて
土鍋を使用する上でいくつか注意点があります。
はじめに、土鍋を使い始める前の下準備にまずは「目止め」をしましょう。
- 土鍋を水洗いした後、水分を拭き取ってしっかり乾かします。
- 土鍋でおかゆを作るため、水とご飯を入れて弱火にかけます。(フタはしなくて大丈夫です)
- ご飯を解きほぐし、おかゆが出来上がったら一晩おきます。
- 一晩明けたらおかゆを取り出し、土鍋は柔らかいスポンジで水洗いして、再び水気を拭き取ってしっかり乾かしましょう。
米のでんぷん質が土鍋の細かい気泡(土の間の隙間)を埋め、水漏れを防いだり、汚れを染みにくくさせたりするのです。次にその他の注意点です。
- 濡れたまま加熱するとひび割れの原因になります。弱火で使い始めるのがおすすめです。
- 十分な乾燥をさせていないで火にかけないでください。水分が染み出て焦げることがあります。
- 煮こぼれしたま使用すると汚れや破損の原因となりますのでおやめください。
- 急激な温度変化を与えないでください。熱い土鍋を急に冷やすと破損の原因となります。
- 揚げ物を作るのには使用しないでください。土鍋が油を吸収して高温になったり、油が漏れることがあります。
- 空焚きはしないでください。破損の原因となります。
- 料理を長時間入れておくとカビや臭いの原因となります。土鍋は吸水性があるためです。
- タワシやクレンザーでこすらないでください。土鍋にしみ込んだり、傷が残る恐れがあります。
以上の注意を守って使用しましょう。次に、お手入れについてです。
お手入れや汚れをキレイにするには?
土鍋が割れないよう長く扱うにあたり、日々のお手入れも大切にしたいところです。そのため、土鍋を使った後のお手入れは、中性の台所用中性洗剤と柔らかいスポンジを利用して洗いましょう。洗剤を入れたままの浸け置きはおやめください。水分を拭き取って土鍋の底面を上にして十分に乾かしましょう。
土鍋の使用方法や気を付けること
- 土鍋にカビが発生した場合はどうすればいいですか?
7~8分目まで水を入れた土鍋に、お酢を大さじ2~3杯入れて10分ほど沸騰させましょう。お酢の殺菌効果によりカビが死滅します。
- 臭いがついてしまったした場合はどうすればいいですか?
茶殻・茶葉をひとつかみ入れて10分ほど煮立てましょう。茶に含まれる成分が臭いを吸収してくれます。
- こびりつきが発生した場合はどうすればいいですか?
焦げやこびりつきには、ぬるま湯でふやかしてスポンジなどでこすり落としましょう。また、重曹を小さじ1杯入れて沸騰させるのも効果があります。
- 底にヒビが入りましたが大丈夫ですか?
土鍋の底にヒビが入ることがありますが、料理が染み出してこなければ大丈夫です。目止めをしておきましょう。しかし、ヒビが割れそうな音や軋みが発生したら使うのをおやめください。
- オーブンや電子レンジで使えますか?
陶磁器の土鍋はオーブンや電子レンジで使えます。取っ手も熱くなりますのでミトンを使用して取り出すようにしてください。また、蒸気には注意してください。
- 冷蔵庫で保管しても大丈夫ですか?
土鍋を冷蔵庫で保管しても大丈夫。急激な温度変化により破損する恐れがありますので、温め直しの際にはご注意ください。
- 土鍋は暖かいものを入れても熱くならないと聞きましたが本当ですか?
土鍋は断熱性が高いため、熱いものをいれても器が熱くならないとうい特徴があります。お味噌汁などの汁物にお椀を使うのはおすすめですよ。
- 土鍋を電子レンジに入れて温めても大丈夫ですか?
土鍋は熱に強いですが、電子レンジでご使用いただけません。電子レンジ対応の商品に限りご使用いただけます。土鍋塗りが剥がれる原因にもなりますので絶対に電子レンジでの使用はしないでください。
- IH調理器に対応していますか?
土鍋によってはIH調理器に対応しています。購入時の注意書きをご確認ください。
使える幅が広い!土鍋を使って鍋料理やグラタンも!
土鍋を使った鍋料理には、すき焼き、しゃぶしゃぶ、水鍋といった代表的なものから、スッポン鍋、ちゃんこ鍋、鴨鍋などなど。聞いたことのある鍋料理名も多数ありますが、ご当地の鍋料理だと北海道の石狩鍋、山梨県のほうとう、京都府の湯豆腐、鹿児島県の豚角煮込みといったものもあります。ご当地の材料を取り寄せて毎日のように鍋料理を楽しむのもおすすめですね。
また、陶磁器である土鍋はオーブンや電子レンジで使えるため、グラタンや温野菜を作るのにも便利ですよ。料理の温かさが持続するという良さもありますが、器ごと熱くなるためミトンなどで土鍋を取り出すようにしてくださいね。
1人用の土鍋でお米を炊くようにして炊飯器代わりに使うのもいいでしょう。人数に関係なく使い勝手や料理の幅を広げてくれるのが土鍋の良さです。
ブランドや仕様により違う事もありますので、詳しくは製造元の説明書に従ってください。