錫(すず)製品の使い方 ~お手入れ・使用方法~
錫(すず)製品とは?
錫(すず)は1200年代(飛鳥・奈良時代)からお酒やお茶の器として使われてきました。錫師により作られる器は、不純物を吸収することから水を美味しくする作用があります。また、口当たりがまろやかになるだけでなく、錫製品は酸化しづらくて錆にくいのも特徴。他にも熱伝導率が良いことから、タンブラーやぐい呑みなども作られるようになります。金属の性質として、ひっぱったり曲げたりしやすいことから自由な形状にできるのも錫製品の魅力でしょう。
金属らしさのある銀色やそこにグルーやレッドなどのグラデーションをかける器もあります。富士山を模してブルーを施したぐい呑みなど、錫の色と形状を活かした器もキレイですよ。
錫製品にお酒やジュースを入れると、酸味が落ちてマイルドになります。また、熱伝導性の良さを利用して、冷やした錫の器にデザートを乗せて使うのもおすすめです。冷製パスタやアイスクリーム用の器にもいいですね。
錫製品の使い方とお手入れについて
錫製品を使用する上でいくつか注意点があります。
- 電子レンジではご利用できません。錫は金属だからです。
- 食器洗浄機や乾燥機は使用できません。高温になる可能性があるためです。
- 火器の近くには置かないでください。融点が低いためです。
- 熱いものを入れると器も熱くなるので注意してください。熱伝導率が良いためです。
- タワシやクレンザーでこすらないでください。錫製品に傷が残る恐れがあります。
以上の注意を守って使用しましょう。次に、お手入れについてです。
お手入れや汚れをキレイにするには?
錫製品を長く使うと、落ち着きが出てきますが、日々のお手入れも大切にしたいところです。そのため、錫製品を使った後のお手入れは、中性の台所用中性洗剤と柔らかいスポンジを利用して洗いましょう。タワシやクレンザーを使用すると錫に傷がつくことがあります。
光沢が鈍くなってきたり、汚れが目立つ場合には歯磨き粉、または重曹を混ぜた水を布につけて磨いてください。
使用方法や気を付けること
- 錫製品を冷やして使うのもおすすめと聞きましたが本当ですか?
錫製品を冷やして使うのはおすすめです。熱伝導率が良いことから、錫製品にビールを注げば冷えを保ちます。家で飲み会をする時に重宝しますね。
- 冷凍庫で冷やしても大丈夫ですか?
錫製品を冷凍庫に入れないでください。氷点下の極低温で稀に変質することがあります。
熱伝導率が良いので冷蔵庫で冷やしても短時間で冷たくなります。
- 融点が低い錫製品に熱いものを入れて大丈夫ですか?
大丈夫です。融点が低い錫製品ですが、熱湯くらいでしたら問題はありません。しかし、240度に達すると溶けてしまうため、コンロなどの火の近くに置かないよう注意してください。
- 錫製品を電子レンジに入れて温めても大丈夫ですか?
金属ですので電子レンジで使用できません。使用すると火花を上げて金属内に電気が流れて放電し、電磁波を発生させる装置(レンジ本体)を壊す危険性があります。
絶対に電子レンジでの使用はしないでください。
- 白っぽい錫製品をそのまま使っても大丈夫ですか?
大丈夫です。錫製品に見られる白っぽいものは錫物を製作する際の湯道となるところですので、製品の不良ではありません。手作りの味わいですので、そのままお使いいただけます。
錫のタンブラーの良さや使用方法
錫製品で日本酒・ワインといったお酒を飲むと酸味を取り除き、さらに美味しく飲めますよ。また、熱伝導が良いため錫のタンブラーをしばらく冷蔵庫で冷やしてから、ビールやジュースを注げばさらに冷たい飲み物を楽しむことができます。氷を入れてウイスキーや梅酒のロックにして時間をかけてゆっくりと飲むのもいいですね。
保温性も高いのですが、タンブラーも熱くなるため人肌くらいの持ちやすい温度にして使ってくださいね。お茶やお湯割りなどを飲む際のお供にもおすすめです。
タンブラーによっては錫の柔軟性が高い性質を活かして窪みを付けたのもあり、指にフィットするという持ちやすさがあります。タンブラー以外にもワイングラスやぐい呑みも販売しているので、見比べてみるのもいいいでしょう。
錫のカトラリーやキッチン用品の種類や使用方法
アイス用のスプーンや、形状を変えられるスプーンにも錫製品は使用されています。冷たさが伝わりやすい点や、赤ちゃんにご飯を食べさせる際に形を変えて調整したりもできますよ。錫100%は手でも形を変えることができるほど柔らかいのです。
そのため、箸休めなどのカトラリーレストにも錫を使用したものがあり、形状の柔らかさを活かしておしゃれなデザインも豊富。相手に合わせた贈り物にもおすすめでしょう。
小型のピッチャーもあり、和洋の食卓どちらにもあるデザインなのが錫の特徴です。注ぎ口の細かな形状から、しずくが垂れないように工夫されているピッチャーもありますよ。器ごと冷やしておけるため、サラダ用のドレッシングを入れるのもいいですね。
ブランドや仕様により違う事もありますので、詳しくは製造元の説明書に従ってください。