山一の竹箍（たけたが）お櫃は、木曽五木のひとつに数えられる木曽さわらを桶材に用いて、信州木曽の木工職人が手仕事で丁寧に作り上げました。昔ながらの道具の良さが見直されているいま、お櫃も脚光を浴びている道具のひとつです。電気炊飯器は、炊いたごはんをそのまま保温できて便利ですが、時間が経つとどうしても味や食感が変わってしまうもの。もちろん、お櫃に炊飯器のような高度な保温性はありませんが、移し替えたごはんをおいしく保ってくれる優れものです。その秘密は、通気性の良さと吸水性の良さにあります。桶材に使用されている木曽さわらが、木材の特性を活かして余分な水分を取り除いてくれるので、お櫃の中の湿度は一定に保たれることに。ですから、ご飯がべちゃべちゃになったり、乾燥したりするのを防ぐことができ、もっちりした食感が維持できます。また、木曽さわらのほのかな香りが、ごはんのおいしさをより一層引き立てます。竹箍仕上げされたお櫃は丈夫なだけでなく、美しい見た目で、使い続けるほどに味わいが増す逸品です。天然素材のためお手入れが欠かせませんが、それゆえに愛着もひとしおでしょう。