備前焼のお店DAIKURAについて
備前焼のお店DAIKURAは、備前焼伝統工芸士の小川秀蔵さんと備前焼作家の小川弘蔵さんが製作しています。1972年から備前市の地にて製作し、備前焼をもっと身近に使ってもらえるようにという想いで2011年に「DAIKURA」としてブランドを創設しました。釉薬を使わず焼き締めのみの備前焼。土と燃料にこだわり、土と炎によってのみ生み出される土の肌・土の色が特徴です。
備前焼の特徴
備前焼は釉を一切使わず、窯の中の炎や灰の影響を受けて現れる自然の模様を楽しむ焼き物です。成形は、手びねりや轆轤(ろくろ)を使います。土の性質や、窯への詰め方や窯の温度の変化、焼成時の灰や炭などによって生み出される備前焼は、一つとして同じ色、同じ模様にはなりません。DAIKURAでは、1200度の高温で4日~6日かけて焼き締めています。微細な気孔があり通気性に優れているため、切花が長持ちする花びんや、微細な凹凸により、きめ細かな泡ができることからビールグラスとしても重宝されています。「使い込むほどに味が出る」と言われ、派手さはありませんが、飽きがこないのも備前焼のポイントです。
作り手の経験と偶然により仕上がる美しい備前焼
窯の中の場所や炎の強さ、灰の量によって模様が変化する為、長年の経験から焼き上がりを予想して窯入れをしますが、最終的には焼きあがるまでわからないという事になります。
作り手の経験と計算に偶然がプラスされてできる焼き色と、型物ではなくロクロで成形している為2つとして同じものができず備前焼の美しさの根源でもあります。
DAIKURAの商品として寸法をなるべく統一して同じように作れるのは、小川さんの経験があるからこそ生み出せる商品です。それでもミリ単位での調整は難しく、手びねりで仕上げている物もあるので、器の輪郭や、土の肌の表情は一つずつ違いがありますが、それも自然の風合いの豊かな備前焼の特色でもあります。
また、備前焼の焼き色のひとつである緋襷(ひだすき)は、素地に藁を巻き、巻いた部分に炎や灰が直接あたらない為土の成分と反応して、作品全体は素地に近いうす茶色に焼け、藁があたった箇所は、緋色に発色します。
松割木を焚き、燃えた木が灰となり、その灰が炎と共に煙突に向かって抜けて行きます。その時に作品に降り注いだ跡、藁を巻いていた跡にできる焼き色が緋色の模様となります。
地肌とのコントラストが素敵な緋襷です。