河辺商会
身近にあるプラスチック部品をつくる町工場
CHOPLATEを製作しているのは、堺市に本社を構える昭和30年(1955年)の創業の河辺商会です。河辺商会は、身近なプラスチックの成型を手がけるメーカーです。
独自技術で付加価値の高いプラスチック製品を生み出すことで大手家電メーカーや大手自動車メーカーに信頼される河辺商会。工場では、さまざまな形のプラスチックが次々と生産されてきます。ひと目見ても何のどこの部品か分かりませんが、聞けば「自動車のシフトレバーのプレート」や「ボールペンのグリップ」など、見たこと、触ったことのあるものばかり。
まな板になるお皿「CHOPLATE(チョップレート)」
そんな河辺商会にとって初の自社製品となるのが、まな板になるお皿「CHOPLATE」です。これまでB to Bのビジネス一筋できたところを、国内での生産案件が減少傾向だったことから、販路を広げるべく新たな分野に挑戦を試みたのがきっかけだそう。
「皿として扱いやすく、まな板としても成立するよう、僅かな曲面を縁に施しました。液体が滴れることなく、食材をカットするときにも包丁が引っかかりづらい最小限の高さに設計しています」
そして素材。
「食器として使い続けられる耐久性と軽さを求めさまざまなプラスチックを試しましたが、どうしても安っぽくなってしまうのが気になりました。そんな中、SPS樹脂というスペックの高いプラスチックがもっともしっくりきたんです。それでも強度をもたせるため配合しているガラス繊維が表面に浮き出る模様に納得いかず、何度も試行錯誤を重ねた結果、高級感と重厚感のある美しい色味と風合いを出すことができました」
こうして生まれた「CHOPLATE」のシンプルな趣は、計算しつくされた実用の美。中心から広がる独特の模様とマットな表面が、食材を際立てます。刃こぼれしづらいのにナイフ傷は目立ちにくいという絶妙な固さと質感は、この素材でしか出せません。さらに電子レンジもOKというのも嬉しいポイントです。
まな板を出すのが面倒な時、ちょっと切ってそのまま盛り付けて食卓に出せるのは忙しい現代人の強い味方。洗い物も減るのでキャンプなどアウトドアにも最適です。そんないいことづくめの「CHOPLATE」は、2021年だけで3万枚を売り上げるヒット商品に。
切ってそのままサーブできるお皿
縁の高さにこだわって設計されているので、お皿の上でもナイフが使いやすく、フルーツをカットしてもちょっとした果汁であれば下に零れ落ちる心配はありません。食洗器やレンジにも対応する実用的なお皿は、高い強度を誇るのに軽量。しっかりした質感で丈夫なのにかさばらないお皿は、ピクニックやキャンプといったアウトドアのお供にぴったりです。